医療・福祉の現場で注目の集まっている動物型ロボットとは…
今医療・福祉の現場で注目の集まっているロボットがある!その名もアザラシ型ロボット「パオ」です。まるでぬいぐるみのようなフォルムで愛らしいですが、その癒やし効果が医療・福祉現場で注目されているのです。
パロはアザラシの赤ちゃんをモデルにしており、柔らかで、触り心地の良い人工毛皮で全身が覆われています。
鳴き声を出したり、瞬きをしたり、顔の表情に変化があり、頭や手足が動くことで、驚いたり、喜んだり、あたかも心や感情があるように振る舞う自律型ロボットなのです。
パロは視覚、聴覚、触覚、運動感覚を持っているほか、あいさつや褒め言葉も理解します。優しくなでられたり、抱っこされたりすると、うれしく感じ、叩かれると怒ったりする。パロとのコミュニケーションで、人が安らぎや楽しみを感じられ、生活に潤いを得ることができるのです
社会の役に立つロボットを作りたいという想いを基に産業用ロボットの改良もありますが、
開発者は新しい産業を生むような、一般の人たちに使っていただくパーソナルロボットを作ろうとしていたのです。ただ、掃除・洗濯・料理などの〝仕事〟を目的にしたものは「速い・安い・正確」だけの競争でなかなか付加価値が生まれない。
そこで、あえて〝仕事〟をしないもの、役に立たないけれども大事にされる存在としてペット動物に注目したのです。ペット動物がコンパニオン(同伴者)として人間と一緒に生活する関係には「アニマル・セラピー」という分野があります。
動物は仕事はしないけれど役に立つ。それは「人の心に働きかける」からです。
「仕事」ではなくて「楽しい」とか「安らぐ」という人の主観に訴える価値を見いだせます。海外で認められた【セラピー効果 — 海外では医療や福祉に役立つ】 と広がっていると聞きましたが
ちなみに販売価格は以下となっており、医療・福祉現場向けに販売されている
■価格帯
メンタルコミットロボット「パロ」(ペット用、セラピー用とも共通)で、
保証期間:1年 販売価格:¥360,000(税別)用途:法人向けリースのご案内も可能です。
保証期間:3年 販売価格:¥420,000(税別)用途:法人向けリースのご案内も可能です。2回のメンテナンスと1回のバッテリー交換を行います。
販売元:大和ハウス工業
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海外の現場でなぜ「パロ」が広まったのか…
2005年に日本でパロが販売された際には、70%近くは個人がペットとして購入し、医療福祉施設向けなどは2割くらいしかない状態でした。欧米ではセラピーの道具として医療福祉施設で多く使われて、ペットとしてはまれであるそうです。そんな海外でも導入が比較的早かったのはデンマークで、今は約80%の地方自治体に公的導入されています。
欧米でパロが医療・福祉現場に広まっていった要因として、ロボットに対するイメージの違いがあり、欧米では「ロボットとはもともと人間のために働く道具である」という認識なのです。
2003年にスウェーデン・イタリア・韓国・ブルネイなど世界七か国でアンケートを取って、パロをどう捉えているか調査分析を開発元が実施したところ、「ペット」と「セラピーの道具」という 2 つの方向性という結論が浮かび上がったそうです。
日本や韓国などアジアではペットとしては評価が高いけれど、セラピーの道具としては低い状況でした。逆にイギリス・イタリア・スウェーデンなどのヨーロッパでは、ペットとしては評価が低いが、セラピーの道具としては高いという地域別に差が出たのです!
動物を使って認知症やうつの症状の改善を目指す「アニマルセラピー療法」に関連して、アメリカのFDA(食品医薬品局)は患者さんの脳波や脳の血流を調べた結果などから、パロと触れあうことにより、患者さんの脳の働きが改善することを認め、パロは「神経学的なセラピーをする医療機器」と承認されました。イルカなどの動物セラピー効果の科学的根拠は医学界ではまだ認められていないことを考えると、すごいことなんです!
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脳梗塞のリハビリで入院している患者さんにパロを使ってもらうと、よく眠れるので夜間のナースコールが激減した実績があったそうです。その方が退院されて自宅でも使えば、介護する家族も助かりますよね。「もの忘れ外来」などで、認知症で通院治療している人への効果も確認された結果も出ているそうです。
機械としては限られた機能しかないかもしれませんが、人間の側にあるいろいろ記憶や体験をパロは引き出すきっかけを作ってくれるのかもしれません。パロと触れ合うことで、昔のペットのことや子育てなど、さまざまなことを思い出すのかもしれないです。
脳が刺激されることにより、「その人らしさ」が思い起こされてくるのです。何年もしゃべっていなかった人が、パロに自然に声をかけたくなったりする!今後、社会の中のいろいろな場面で役に立つかもしれません。表面上の付き合いになりやすい会社組織の中でパロと触れ合う姿を通して、その人らしさが理解されることもあるでしょう。まだまだ我々の知らない可能性を、パロは秘めているのかもしれないです!!
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