ドイツの現地記者がマインツ監督への取材を通じて得られた証言とは?
現在ドイツのマインツに移籍し、数か月が経った武藤嘉紀選手についての現地での評価を特集します。
「いきなりゴールを期待しないのは、我々は彼をアウトサイドのMFとして獲得したからなんだ」と武藤選手本来のポジションがサイドMFであるという意見に対して異論はないと感じているようです。
監督は「ヨシは攻撃のポジションならば、どこでもプレーできる!左サイド、右サイド、9番の位置でもそう。そして、10番の位置でもプレーできると私は考えているよ。」
攻撃的なポジション全般の対応可能であるように認識しているようです。
また監督は武藤選手のこのようなポリバレントな能力を認めた上で、起用するポジションを使い分けたい模様でもあります。
■格上チームとの起用の意向は…
例えば自陣に押し込まれがちな格上チームとの試合では、武藤選手をFWとして起用したい意向を監督は持っているようです。
「ヨシはよく守備をしてくれる選手で、相手ゴールから70m近く離れたところでもゴールに向かって素早く走っていける!だからこそ、ボール奪取の位置が低くなる格上との試合の時は、彼のようなスピードのある選手には金の価値がある」と称賛しているのです。
■格下チームとの起用の意向は…
さらに格下チームとの対戦ではサイドのポジションで起用を検討しているようなのです。
「ペナルティーエリアでは動き回るスペースがないので、彼のスピードをサイドで活かしたい。岡崎慎司にはペナルティーエリアでの強さがあった。一方でヨシには、岡崎には
ないスピードがあるんだ」とそれぞれ特徴を語っています。
現在の武藤選手の起用状況は…
現在まで監督はリーグ戦で武藤選手をFWとして起用しています。現チーム布陣を「ボールを持っているときは4-4-2に近い布陣」と説明しており、岡崎選手と似たような特徴を見出して「チームの為に走ること、攻撃時にテンポを生み出すこと、相手陣内でチームにとって最初のDFとなること」を求めて起用している状況です。
マインツ監督の評価の変化に変わっていくのですが、また次回で伝えていきます。
武藤嘉紀選手へのマインツ監督の評価の変化とは…
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マインツ監督の考えを変化させた第2節とは…
リーグ第2節のボルシアMG戦で武藤選手はFWとして公式戦初先発を飾りました。
終盤に2度の決定機を外し、1試合で5度のオフサイドも取られ、見方によってはFWとしての評価を下げたようにも見えたのだが、監督は別評価を下していたのです。
◆別評価の理由:01
「私はオフサイドになるくらいに走ってくれる選手が好きだ!常に裏に抜けようとする選手がいる事ほど、相手のDFラインにとって嫌なことはないのではないのだろうか。それがないと相手はDFラインをどんどん押し上げてしまうだろ。」
と相手DF押し上げることで、全体がコンパクトになり、攻守において連動したプレーを許すことにも繋がってくる。マインツとしてはそれは何としても避けたい状況であり、仮にオフサイドになってもDFラインと駆け引きをしてくれる方が監督、チームにとっては好ましいのです。
◆別評価の理由:02
もう一つは感情的な理由があるようです。
「他チームからオファーがあったのに、ヨシはマインツを選んでくれたからだ!もちろん、彼には説明したよ。試合に出るチャンスがあり、素早い切り替えからカウンターを狙うスタイルが彼に合うことを。そして、その話を彼は信じてくれた事も。だから、そのお返しに私たちは彼を信頼するのだよ」と語っており、双方の信頼感も影響しているようです。
その後、翌週のハノーファー戦で武藤選手は2ゴールを決めています!
試合後に監督は「私の要求にすでにしっかり応えてくれている。今シーズンは12点くらい決めてくれないかな(笑)ハハハ、それは冗談だけどね」と言って称賛しています。
今後、武藤選手は岡崎選手のようにFWとしてゴールを重ねる事で評価を上げていくのだろうか。それとも、「左MFが自分の最も得意なポジション」と本人が語るようにサイドのMFとして本領発揮するのだろうか。
いずれにせよ現在の活躍状況を踏まえると、マインツの歴史の中でサポーターからも愛され、一時代を代表する選手になることを願うばかりであり、期待もさせます。