久保健英のすごさとは…
2月18日に行なわれたU-18Jリーグ選抜対日本高校サッカー選抜に、注目の高い久保健英はフル出場しており、前半は4-4-2の2システムで2トップの一角を担い、後半は2列目の右サイドに立ち位置をかえ、1月の高校選手権で上位へ進出した有力校の選手たちと対峙しました。
日本高校サッカー選抜のセンターバックを担った東福岡高校の阿部海大選手は、
「身体を入れてもうまくすり抜けたりするので、久保くんに先にボールに触られないように、監督からガツガツいって怯ませるように言われていました。でも、なかなかいけない部分がありました」と語り表情に戸惑いを滲ませていました。久保健英選手より14センチ高い181センチの阿部選手は、昨年3月にも対戦しており、東福岡高校の選手で、久保選手はU-17日本代表の一員でした。
「久保くんは身体がまだそんなに強くないので、今日も当たったら勝てるという感じはありました。ただ、ボールが入る前に周りをチラチラ見るので、こっちも突っ込みにくかったです。その視線のコースを切ると、逆を突かれることもあったので。それもあって、ガツガツいききれなかったのはあります」と阿部選手は試合後に久保選手の対戦相手を惑わせる目配せを賞賛しており、オンザボールの場面で広い視野の確保につながります。
日本高校サッカー選抜でキャプテンを務めた住永翔選手も身体の使い方や視野の広さを賞賛してました。
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「速いスピードでドリブルをしても、逆サイドまでしっかり見ていました。姿勢がよくてヘッドダウンしないから、視野を広く持てている。ドリブルをしていても、頭がブレないなと感じました。学年を感じさせないというか、中3と聞いたら驚くプレーばかりでした。(昨年のFC東京U-23で)J3リーグとかにも出ているので、ボールの持ちかたと身体の使いかたはすごい。相手の逆を突くのがうまいので、やっていて楽しかったですね」と語り、年上の選手たちのなかへ放り込まれても、表情に焦りの色を浮かべず、判断を間違えない。さらには自己アピールへ走らずに、ゴールから逆算してプレーを選択でき、チームが0-4の大敗を喫したゲームでも久保健英選手は15歳の自分にできることと、FWとしてやらなければいけないことを表現していたのは大人びています。
兄貴分の安藤瑞季の存在とは…
ネクストジェネレーションマッチで両チームを通じて中学生で唯一メンバー入りしたFW久保建英選手ですが、同じストライカーとして切磋琢磨する“兄貴分”がいます。それは高校選抜の一員として4点目のゴールを決めたFW安藤瑞季(長崎総科大付高)選手です。
「建英とは同じチームでやったこともあって前から知っている」と安藤瑞季(あんどうみずき)選手は、昨年3月のサニックス杯国際ユースサッカー大会でU―17日本代表の一員として久保選手とともに戦って優勝しています。それ以来親交を深めている状況が続きます。
2学年上の安藤瑞季(あんどうみずき)選手はさまざまなアドバイスを送るが、それはもっぱらピッチ外のことだそうで「いろいろな話をしている。今日も試合前に話をしたし。すごい才能を持った選手だけど、一人の人間としても周囲から尊敬されるような素晴らしい選手になってほしいので」と語っています。
現在、安藤瑞季選手が所属する長崎総科大付高サッカー部を指揮するのは、同県の名門・国見高で高校選手権6度の優勝を果たした名将の小嶺忠敏監督です。人間教育と徹底した体力強化を図るスパルタ指導で知られており、教え子の安藤瑞季選手にもその精神は受け継がれており、日の丸戦士の先輩として久保健英選手に熱いアドバイスを送っているそうです。スペイン1部バルセロナの下部組織で活躍し、エリート街道をひた走ってきた天才サッカー少年にとって、熱血漢の先輩の存在は飛躍の大きな助けなるのではと感じます。
◇岡崎慎司選手のようなサムライ感!
海外の選手たち、高校のチームメート、そしてこの日立ったスタジアムからも受けている刺激を日々受けているFW安藤瑞季(長崎総合科学大附高)選手は日本高校選抜のゴールラッシュを締めくくっています。後半31分、日本高校選抜はMF松本泰志(昌平高)選手とFW伊藤龍生(米子北高)選手のワンツーでU-18Jリーグ選抜のDFラインを攻略し、最後は松本選手のラストパスを「ゴール前では呼ばなきゃ自分のところにボールは来ないと思っている。誰よりも要求しようかなと思っていて、そうしたら(松本)泰志くんが出してくれて、あとは決めるだけだった」という安藤瑞季選手が右足でゴールへ押し込みました。
安藤選手は前へ、前へのプレースタイルが特長のU-18日本代表ストライカーであり、今回の高校選抜の参加でも「先週まで一緒にやっていた頼りになる仲間たちがみんな敵になっていた」と苦笑するように、対戦する機会を得たJ選抜の主力はDF橋岡大樹(浦和レッズユース)選手ら代表の僚友たちだった状況です。だが安藤選手の真骨頂は恐れ知らずの勇猛果敢さであり、14,214人の観衆が集まった日産スタジアムでプレーできたことに感激しつつもこの日もハーフタイムを挟んで後半開始から登場すると、怯むことなく敵陣に突っ込んでいった姿が印象に焼き付きます。その勇姿はサッカー日本代表の岡崎慎司選手の諦めずにボールを追いかけ続け、闘志溢れるプレースタイルに似ている部分があります。
今回会場となった日産スタジアムに対して本人は「『デケェなあ』、と思いました。こんな雰囲気の中でサッカーできたのは自分の中に残るというか、ここを目指してやらなきゃいけないという気持ちにもなって、そういう面でもここでやったのは大きな一歩になったと思います」と想いを馳せつつ決意表明してます。
また今月行われたU-18日本代表のスペイン遠征でも刺激を受けておりU-18日本代表の一員としてカナリア諸島、ベルギー、スペインのU-18代表と対戦しています。U-18スペイン代表を2-0で破るなど3戦全勝して優勝したチームの中で安藤は2試合に先発し、途中出場したU-18カナリア諸島代表戦で1ゴールを決めており「自分が得意とするフィジカルのところは全然負けていなくて成長はまだまだ全然なんですけど自信になりました。でも、まだまだこれをいかに伸ばしていくか、考えてサッカーしなければいけない。海外の選手はデカくて上手くて対応するのは大変だったし、やってみて『コイツら、スゲェ』というヤツらばかりだったんですけど、自分の『越えてやる』という野心が生まれたり、自分の中で熱い気持ちになった」と素直にな気持ちを述べています。さらには世界で「スゲェ」選手たちと対峙したことで自分自身の目標とする姿は確実に高まった事に間違いないです。
◇コーチから見た印象は…
またアグレッシブなプレーを披露し、代表チームの秋葉忠宏コーチや木村浩吉団長から「ザ・高校サッカーという感じの今どき珍しいタイプの選手」「スペインの選手も露骨に嫌がっていた」と賞賛される活躍を見せており安藤瑞季選手自身も「得意とするプレーが通用して自信になった」というスペイン遠征を経て、ひと回り大きくなっての帰国だったに違いないです。
またスペイン遠征中に所属する長崎総合科学大附高は九州高校新人大会で初優勝しており、結果が気になってすぐに寝付けない日もあったという安藤選手です、チームメートたちの活躍からまた刺激を受けているようです。今後は「(遠征に行くと)『オマエは食いすぎるから管理しろ』『自分の身体のことしっかり気をつけろ』と言ってくれてありがたいです」という名将・小嶺忠敏監督の下、この1か月間で受けてきた刺激をパワーに変えて、自身を磨きどんな相手でも常にゴールを決めるパワフルなFWを目指していくでしょう!
◇安藤瑞季選手のプロフィール
■所属:長崎総合科学大附高
■背番号:11
■ポジション:FW
■1999-07-19
■175cm/67kg
■学年:3年
安藤瑞季選手が決めたゴール動画が見れます。
引用元:https://youtu.be/SohdCj1SEy8
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