2017年上半期にヒットや流行した商品とは…
2016年8月の公開から、一気に国民的なアニメ映画の座に躍り出た『君の名は。』が有名ですが、このメガヒットによって、消費者がアニメに向ける目は様変わりしています。従来なら、コアなアニメファンだけの世界で埋もれてしまっていた作品に光が当たり、想定以上のヒットとなる「ニッチの〝大衆化〟」が進行中です。
◾️事例01
太平洋戦争の終戦間際の日常を描いたアニメ映画『この世界の片隅に』は、当初の公開館数が63館と小規模なスタートだったが、「泣ける映画」としてSNSで話題が拡散し、アニメファン以外の一般層も〝宣伝部隊〟となり、上映館数は当初の約5倍に達した。
◾️事例02
超巨大総合動物園「ジャパリパーク」を舞台にしたアニメで動物をテーマにしたアニメ「けものフレンズ」は、放送のたびに尻上がりにファンを拡大して、ビジュアルは萌え系アニメに見えるが、その裏に動物好きやSFファンもうならせる緻密な仕掛けを用意してました。それぞれのコアなファン層がつながり、大きなうねりとなった状況です。深読みしたくなる世界観などが話題を呼び、最終回放送後、ネットに“けもフレロス”という声があふれていました。
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商品の本日価値を探求した商品達
この上半期は食品や日用品、文房具など「もうこれ以上の進化はない」と思われていた「商品の本質価値」に踏み込み、ヒットしたケースも目立っており、以下がその典型例です。
◾️事例03
湖池屋が2月に発売したポテトチップスの新ブランド「KOIKEYA PRIDE POTATO」は、創業時の原点に立ち返り、使用するジャガイモや皮のむき方、洗い方、揚げ方などを一新した。同社の〝看板〟であるのり塩味もグレードアップ。そうして老舗の底力を大々的にアピールしたことが信頼感につながり、一部商品を早々に出荷休止せざるを得ないほど売れまくっています。
「ポテトチップスは成熟市場ですから、安くすれば売れるというものではない。むしろコストをかけて中身のグレードを上げたほうが、手に取っていただける可能性が高まる。そこに私の役目があるかな、と思いました」と話す社長にとって、ものづくりの鉄則は「他社や自分のまねをしないこと」。ポテトチップスにおいては「国産」と「老舗」を突破口に唯一無二をつくり上げることが可能と見て追求しながら商品化まで漕ぎ着けています。
◾️事例04
ここ数年で「芯が折れない」ところまで行き着いたシャープペンシル。それを飛び越えたのが、ぺんてるの「オレンズネロ」だ。従来からのパイプが芯をガードする仕組みに加え、最初に1回ノックすれば芯がなくなるまで書き続けられる「自動芯出し機構」を搭載。税別3000円もする品だが、月産3000本というレアさも手伝って、「入荷するたびに即完売する状態が続いている」(ロフト)ほどの人気です。
◾️事例05
Twitterで人気を集めるイラストレーターも多数登場。仲の良いカップルや家族を描き、「# ほのぼのログ」のハッシュタグ付きで投稿している深町なか氏や、ちょっぴり抜けているタヌキと、少し意地悪なキツネの絶妙なやりとりを描くアタモト氏などが注目株。関連グッズを扱うロフトで販売好調な模様です。「タヌキとキツネ」のスマホケースで、深町なか氏のイラストを使ったストラップも人気があるようです。
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