インターナショナルユースカップで得点王!
FC東京U―18のFW久保建英(15)が2016/12/25に長野市内で開催されていたJリーグのインターナショナルユースカップ、対広島ユースとの3位決定戦にスタメン出場して1得点1アシストをマーク、これで4試合すべてに得点、通算6得点を挙げて、大会の得点王に輝いています。スペインの名門FCバルセロナもその才能に注目した15歳のストライカーに注がれる視線が、2017年は、さらに熱気を帯びそうな気配です。
きっかけは全カテゴリーの日本代表監督が一堂に会して都内で行われた「日本代表 年間スケジュール2017 記者発表」の中でサッカーU‐20日本代表を率いる内山篤監督が、元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふさ)選手に関して「いつかは年齢というものを超えて、サッカーをしていかないといけない。そのチャンスがあれば、彼が15歳であろうが、16歳であろうが、18歳であろうが、監督が必要とするならいつでもフル代表へいける準備というものは、ある意味で日本全体として考えていかないといけない」と明言しています。
年齢的には、2017年10月にインドで開催されるW杯に臨むサッカーU‐17日本代表が元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふさ)の主戦場となります。それを知りつつも内山監督は今月上旬のアルゼンチン遠征で久保を“飛び級”で初招集してます。
もっとも2017年5月に韓国で開催されるU-20カテゴリのサッカーW杯の出場権を勝ち取った時点では、内山監督は元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふさ)を含めた下の世代の抜擢に慎重であって「力があれば当然ですけど、そのためには彼らがいいイメージで入って来られるかどうか、という状況まで見極めないといけない。十分にやっていける、という段階で呼ばなければ、成長という意味では逆にストップさせてしまうので」と語ってました。
直後の11月5日に、元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふ)がFC東京U‐23の一員としてJ3でデビューしており、15歳5ヶ月1日のJリーグ最年少出場記録を更新し、その後もJ3の舞台で2度、年齢が大きく離れている相手と対峙したことを受けて、融合させるにはいまが絶好の時期と監督は判断したのでしょう。
先日の遠征ではU‐19アルゼンチン代表との国際親善試合で、2試合ともに後半途中から元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふさ)選手を起用しており、内山監督は「フィジカル的に強いアルゼンチンのアタックのなかでも、攻撃面でいい部分を多く出していた」と久保建英(たけふさ)選手に高い評価を与えたうえで、さらに称賛してます。
「何よりも4つ上の19歳の選手たちが、練習の段階からリスペクトして、彼の力をしっかりと認めていた雰囲気があった」
短い期間に元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふさ)選手の可能性に魅せられ、さらなる期待へと変わったのでしょう。U‐20W杯へ“飛び級”で招集することを示唆しただけでなく、前例のないフル代表への大抜擢にも可能性を秘めていることも明言してます。
たとえばW杯ロシア大会が開催される2年後に日本が出場を決めた際に、元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふさ)選手がメンバー入りする可能性はあるのでしょうか?
2017年年間スケジュール発表記者会見に出席したサッカーA代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「まだ15歳。あまり話さないほうがいい」と断りを入れながら、元バルセロナユース出身の久保建英(くぼたけふさ)選手に初めて言及しています。「能力があるのはわかっている。日本の宝にしないといけないが、一気にとはいかない。技術、戦術、メンタル、フィジカルのすべてを伸ばさないといけない」と現在は見守る方針であると冷静に語っています。実際まだ思春期で成長途中の15歳だけに無理はさせすぎずに、無限の可能性を伸ばしてほしいところです。
スポンサーリンク
元フル代表選手が見た久保建英とは…
では技術と個人戦術に関しての客観的な評価はどうでしょう。J3ですでに大器の片鱗を見せており、後半の45分間に出場したAC長野パルセイロとのデビュー戦を視察したFC東京のGMは「日本サッカーA代表の将来を背負って立つ才能をもっている」という思いをさらに強めたそうです。
「技術的には完成している。ファーストタッチの質や見ている場所は、まるで大人のようだった」
個人戦術の高さに驚いたのは、実際にピッチで相対した長野の元日本代表MFで、久保建英(くぼたけふさ)より22歳も年上の橋本英郎選手です。
「2つ先、あるいは3つ先を考えてプレーしている、と僕には見えました」
橋本選手を唸らせたのは味方から直接パスをもらえない状況で、別の味方を介して、久保建英(くぼたけふさ)選手自身が第3の動きをすることでボールをもらう“絵”を一瞬にして描いたシーンです。年上の味方たちに堂々と、自信満々に大声で指示を飛ばし、実際に決定的なチャンスになりかける状況を作り出していました。
日本で開催されたバルセロナのスクールで見いだされた久保建英(くぼたけふさ)選手が、スペインへ渡ったのは10歳の時で、言葉も文化もまったく異なる環境に順応して、順風満帆に成長してきた過程で、FC東京のGMによれば「非常に高いコミュニケーションスキルを身につけた」というそうです。
「性格はポジティブでとにかく明るい。すぐにみんなと打ち解けあって、輪の中心にいるので」
本人のコミュニケーション能力の高さはメンタルにも好影響を与えるそうで、バルセロナ側の瑕疵で公式戦に出られない状況が続いていた昨春に退団・帰国し、移籍したFC東京U‐15むさし、中学3年生ながら今年から“飛び級”で昇格したFC東京U‐18へもすぐに溶け込んでいます。
何よりも久保建英(くぼたけふさ)本人が、J3で浴びた眩いスポットライトのなかで自分を見失うことなく、冷静沈着に将来の青写真を描いているようです。
「自分が成長し続けるために大切なのは貪欲な気持ち。自分はまだまだ下だし、上にはさらに上がいるので、どんどん追い越せていけるように。高いレベルを経験できたことで、どのくらい差があるかがわかったし、その差を詰めていくチャンスというか、いい機会になりました」
と、やや早口でそれでいて的を射たコメントが次々と飛び出してきます。長野戦後に見せたメディアへの対応は久保建英(くぼたけふさ)選手の頭の回転が極めて速く、情報処理能力も高いことを物語っています。
残されたフィジカルについては、久保建英(くぼたけふさ)選手自身も「体を大きくするのは課題なので、引き続き頑張りたい」とまだ成長途上にあると認めています。帰国時の163cm、52kgがいま現在では167cm、60kgになったが、J3でもかなり華奢なのは否めない状況です。
長野戦でも相手が意図的に体を密着させて、体格やフィジカルの差を生かして久保選手の自由を奪いにきてました。橋本選手によれば、久保建英(くぼたけふさ)選手はそのたびに「主審にファウルを主張する感じになっていた」というそうです。
ただ体の成長ばかりは今後の推移を見守るしかないようで、FC東京のGMも「体重はまだ軽い」と認めながら筋力トレーニングは解禁させず、身長の伸びを優先させたいとしている状況です。ハリルホジッチ監督が「ここからの3年間が大事。火をつけすぎてはいけない」と諫めたのも、焦れば選手生命を脅かす大けがを負いかねないと危惧しているからでしょう。
また同じ世代だけのプレーにマンネリ感を覚えさせず、さらなる才能を引き出すために“飛び級”は用いられます。今年後半の軌跡を見れば、18歳以下というカテゴリーでも、久保建英(くぼたけふさ)選手の才能は収まり切らなくなっている感があるのも実情です。
高校生となる来年もFC東京U‐18をベースに、トップチームに2種登録されればJ3や21歳以下の選手1人の起用が義務づけられたYBCルヴァンカップ、そしてJ1出場と、さらなる刺激を与えるためのタイミングが図られていく事が予想され、代表チームでも心身にかかる負担を十分に考慮しながら、U‐20、U‐17の両カテゴリーを兼任する模様です。多忙を極める過程で、懸案であるフィジカルをはじめとして成長の跡がはっきりと見て取れれば、すでに久保の存在を認識しているハリルホジッチ監督を振り向かせる可能性はあります。
スポンサーリンク