サッカ-久保建英選手のサニックス杯活躍状況
2016年3月17日〜20日に行なわれたサニックス杯の決勝で2015年冬の選手権優勝校の東福岡を1-0でU-17日本代表が破り、優勝を果たしました。そのなかで、時折見せる高い技術やシュートで観客を沸かせた一人の選手がいました!それは、久保建英選手です!
だが彼が中心となってチームが勝ち上がったかと言えばそうではないようで、サニックス杯で久保選手がゴールを挙げたのは、6試合中2試合で3ゴールです。その内訳は2点を決めたグループリーグ第3戦の北京高校選抜戦も、4-0と試合が決してからのゴールで、1点目は折り返しが相手のDFに当たってコースが変わってゴールインしたもので、2点目はPKでした。
さらに話題となったグループリーグ第2戦のU-17韓国高校連盟選抜戦のハーフボレーによる先制弾も、鮮やかなゴールであることに間違いありませんが、コーチングスタッフ陣から見れば満足のいく活躍を見せていたとは言えないようなのです。
それは久保選手はファーストタッチは絶妙で、軽やかな身のこなしでボールを収めることはできますが、そこからのプレーの連続性という面では、まだ物足りないのが現況であるようです。例えばひとりをかわした後にカバーに来た選手に潰されたり、縦パスを入れるべきタイミングで横パスを選択したりと、判断の甘さからプレーをやりきれない場面は少なくない状況です。
ただ久保選手は今大会で言えば、最大で3学年上の選手と戦い、U-16でも2学年上の選手と戦っている状況で、フィジカル的な差があって当然で、パワーに押し込まれたり、パスが届かなかったりと酷な状況のなかで戦っているのも事実です。
そのなかで人を魅了するプレーを見せているのはさすがですが、彼を今後もうワンランク上の選手に成長させるためには、この環境下で『やりきる強さ』を身につけさせることが重要なポイントであるようです。
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森山佳郎監督いわく「もう『技術で上回れば良い』という考えは捨てたほうがいい。例えばイングランドだったら、U-15とU-18では、あっという間に差がつく。将来、自分より速くて、強くて、上手い海外の選手と互角に渡り合うためには、13~15歳から(どんな環境下でも戦える選手の育成を)始めないと、取り残されて行く」と危機感を持って指導しています。
巧さでごまかせるU-15と、ごまかせないU-18以上で、この境目で取り残されないために、技術や能力のある選手ほど、厳しく要求していくという考えが森山監督の頭の中にあるようで、才能がある久保選手に対しての立ち位置をはっきりとさせています!
U-17日本代表チームのなかでも間違いなく高い技術を持ち、才能豊かであり、名門・バルセロナの下部組織で鍛え上げられたサッカーセンスは群を抜いているのが久保選手の実情です。
しかし、周りも切磋琢磨して伸びてきているのも事実なんです。今回のU-17日本代表、そして今秋にU-16アジア選手権を控えるU-16日本代表は、決して『久保健英のチーム』ではないし森山監督自身もそうは思っていないようです。
久保選手だけじゃない!サニックス杯で活躍した選手とは
例えばふたりの高校生が初の代表選出で意欲的なプレーを見せていました!鹿児島城西に所属し、昨年度の選手権で1年生ながらCBのレギュラーで出場した生駒仁選手と、長崎総科大附のエースストライカー・安藤瑞季選手です。
ふたりの共通項は、共に兄の背中を追いかけながら育った言う点です。安藤選手は1年生エースとして長崎総科大附を初の選手権に導き、3年間エースの看板を背負った兄・翼(現・駒澤大)と入れ替わりで入学しています。生駒選手は昨年、兄・稀生と兄弟CBコンビを組んで鹿児島城西の最終ラインを支えていました。
決意を持ってそれぞれのチームで戦っていたふたりが、ともに今回のサニックス杯で年代別日本代表初選出を果たしています。
期待を込めて招集した森山佳郎監督に対して、二人とも当初は初代表ということもあり萎縮していたが、次第に慣れてくると、揃って先発出場したグループリーグ第3節のU-17北京選抜戦では、生駒選手は得意の高さと対人の強さを発揮して、1-0で迎えた6分にMF齋藤未月選手のクロスを高い打点のヘッドで合わせ、2点目も奪ってみせています。
安藤選手も得意のフィジカルとスピードを活かした裏への抜け出しを見せ、42分にDF田中陸選手の折り返しをファーサイドに飛び込んで押し込み、チームの3点目をゲットし、生駒選手も安藤選手も、フィジカル勝負だった北京選抜に対し、一歩も引かずに戦い抜き、持ち味を発揮しています。その一方でともに課題もあったようで、「逆サイドのカバーなど、自分にまだできないことが多かった」と語ったように、生駒選手は人には強かったが、カバーリングや出足などで後手に回る場面があり、一瞬の判断の遅れからピンチを招くシーンもあった模様です。
ふたりとも荒削りだが、間違いなく高いポテンシャルを秘めており、この経験がすべてにおいてプラスに変わるように今回の代表選出は決してご褒美ではなく、将来に向けての必要な刺激としてほしいところです。今後は『無名の存在』から、『年代別代表選手』という目が向けられます。「選ばれたから凄い」ではなく、「さすが選ばれる存在」という印象を与え続けられるように、不断の努力がより求められるのは間違いないです。
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森山監督は久保選手という稀有な才能を育てるためにこの年代から特別扱いをする事はせずに、常に厳しい要求をつき続けて、常に久保をU-16代表に選び、今回のU-17においても選出し、主軸として起用し続けています。
そして久保選手自身もまた、そのことを十分に理解し、厳しくも愛のある要求に真摯に応えようとしています。その成果は着実に見えているようで、チーム立ち上げの頃と比べて「前への意識」や「球際への迫力」は格段に増している印象です。より光り輝く可能性を持っているからこそ、茨の道を用意するのが森山監督のイズムであり、そして久保選手も謙虚に、周りが作り上げようとする「エース」の看板にとらわれず必死で食らいついているからこそ、森山イズムの浸透とともに着実な成長している印象を抱きます!
久保健英選手が韓国戦で魅せた華麗なゴール動画はコチラから↓
引用元: http://youtu.be/uzVjTUkEzIA